有限会社河内屋 代表 土井荘輔
―120年以上という長い歴史、これまで大切にしてきた想いとは?
この本郷の地に長くいるためには、嘘を決してつかないこと、そしてお客さまを大切にして、真面目に直向きにコツコツと営んできました。 そして、長年お付き合いのある地元の方々やご先祖様に支えられてここまでやってきましたので、これからも感謝の心や真心を持って、細く長くお客さまとのお付き合いをしていきたいと考えています。
―酒屋のやりがいとは?
私たちにとって酒屋は生業であり、生活のための手段、家庭を支えるための手段という側面が強くあります。しかし、お客さまとお話をすることは、とても楽しく、そんな些細な会話の中から、注文につながることもありますし、「お酒を買うなら河内屋さんで!」と言ってもらえる瞬間もあります。そんな時に、やりがいや喜びを感じます。
―昔と今の違いは?
昭和40年、50年代頃までは、それこそシャッターを上げれば売れるような時代でした。昔は、免許がないとお酒の販売ができないという免許制に守られていたんですね。常連さんもたくさんいましたし、本当に長いお付き合いができていました。お客さんがどこに住んでいて、どんな家族構成で…そんなことは当たり前のように知っていましたが、今はよく来てくださるお客さんでさえ、どこに住んでいる人なのか分からない人がほとんどになってしまいました。昔は、お客さん同士も仲が良かったといいますが、立ち話をお店の中でしていたりと、ある意味でお店自体がコミュニティのような空間だったのかもしれません。今は、お祭り一つを企画するのもなかなか難しいですからね。随分と時代が変わってしまったように感じます。
―今後の河内屋の展望は?
これからは、新しいことを取り入れていかなければいけないと思います。試飲会などのイベントも一つの手ですよね。これまでは、お店の中で年末に樽酒の量り売りをするなど小さなイベントはやってきたつもりではいたのですが、最近取り組み始めた外での試飲会イベントは、新しいお客さんとの出会いの場にもなりましたし、お店をPRする機会にもなっていると感じています。やったことが無いことを始めるのは、やはり大変ですし、はじめは面倒だなという気持ちも少しあったのですが、これから私たちが行っていくイベントが、少しでも地域の方の面と向かって話をする場であったり、繋がりを作れる場になっていくと嬉しいです。
―息子 土井弘輔に期待することとは?
本人がどんなことを考えているのかはわかりません。でも、きっと、これからも色々なことに挑戦していくのだと思いますし、人様に迷惑をかけず、自分でできる範囲で自由にやってもらえたらいいと思っています。私たちから何かとやかく言うことは無いですし、やれるとこまで頑張って、やり抜いたらいいと思います。今でさえ、私たちはついていくので、いっぱいいっぱいですけどね(笑)
―お客さまへのメッセージー
変化の早いこの時代で、お客さまが私たちに何を求めているかを考えることはとても難しく、どんなことで皆さまの期待に応えることができるのかわかりません。しかし、できる限りニーズに沿ったお酒を販売したり、お話をしながらお酒を一緒に選んでいく…そんな風に寄り添う心を忘れず、末長く愛していただけるようなお店をづくりを行っていきます。
ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。
皆さまの笑顔に繋がるお酒選びをお手伝いいたします。